3月30日、松涛・観世能楽堂に於きまして、
「観世華雪五十回忌 観世榮夫一回忌 追善能」が催されました。
記念公演ですので番組の詳細を紹介します。
連吟 隅田川 鵜澤久他
舞囃子 敦盛 観世 淳夫
笛 松田 弘之 小鼓 鵜澤洋太郎 大鼓 國川 純
地謡 観世銕之丞他
仕舞 弱法師 若松 健史
井 筒 浅見 真州
梅 枝ロンギ 野村 四郎
山 姥キリ 山本 順之
狂言 無布施経 野村 萬 野村 万蔵
舞囃子 海士 観世 清和
笛 松田 弘之 小鼓 鵜澤洋太郎 大鼓 國川 純 太鼓 金春 國和
地謡 野村 四郎 他
仕舞 西行桜 観世 喜之
砧 前 梅若万三郎
能 求塚
前シテ 里ノ女
後シテ 菟名日処女ノ霊 観世銕之丞
ツレ 菜摘女 長山 桂三
〃 〃 谷本 健吾
ワキ 旅僧 宝生 閑
ワキツレ 従僧 高井 松男
〃 〃 御厨 誠吾
アイ 所ノ者 野村 万蔵
笛 一噌 仙幸 小鼓 大倉源次郎 大鼓 亀井 忠雄 太鼓 小寺 佐七
遠藤 和久 北浪 昭雄
泉 雅一郎 浅見 真州
地謡 柴田 稔 山本 順之
西村 高夫 若松 健史
後見 浅井 文義 永島 忠侈 清水 寛二
今回の特別公演は銕之丞家に所縁の深い、家元・観世清和師、観世喜之師 梅若万三郎師をゲストでお迎えして、盛りだくさんな内容の公演になりました。
今回の注目すべきところは、現銕之丞師と次期銕仙会を担う嫡男・淳夫さんの親子共演になるでしょうか。
今春高校生になる淳夫さんの「舞囃子 敦盛」。
もとより舞いはしっかりしている人なので、声変わりの時期も終わり、これからの活躍が楽しみです。
銕之丞師の「能 求塚」。(1時間50分)
この求塚は昭和26年、華雪師によって観世流の演目に復曲された作品です。(今から57年前)
今回の公演は華雪師の追善ということでこの「求塚」が選ばれ上演されました。
この日の公演では、「求塚」が終わってあと、すぐに拍手をする方はいなかったです。シテが幕に入り、ワキ、作り物が幕に入って、地謡、囃子方がそれぞれ引くときに始めて拍手が起こりました。
これはお客様のこの日の評価の表われだと思うのですが、演者側としましてはとても気持ちのよいものでした。
「求塚」は観世流のなかでは重い習い物になっている作品で、また銕之丞家ではことさら大切にしている作品でもあります。
そういう意味で頻繁に出る曲ではないのですが、今年はこの3ヶ月の間に3回も公演がありました。そのつどこのブログでお知らせしてきましたが、「求塚」についての作品紹介をするつもりでいたのに、果たせなかったのが残念です。それなりに勉強していたのですが・・・
今日の公演のあとの宴席で、銕之丞先生から、
「求塚の地頭までしたのだから、今度はこの曲を稽古しよう!」
といっていただきました。
いつになるかわかりませんが、そのときに私なりの解説をしたいと思います。
今回「求塚」をご覧になった方へのお知らせですが、
野村万蔵師の間狂言の語りの内容は、横道萬里雄先生と野村萬先生が以前に考案されたもので、野村万蔵家の狂言師が銕仙会の「求塚」の時にだけ語るもののようです。(万蔵師談)
常の語りだと、二人の男に求愛された少女が、身の振り方を決めかね、入水した模様を語るのですが、
この替えの語りになると、素材となる大和物語の話しを引用し、少女の入水の話は簡単にすませ、少女のあとを追って死んだ二人の男が、死後も争いを続ける話しを語ります。
今回のパンフレットはとても充実しています。
観世華雪先生の舞台写真(←)等が9点、榮夫先生の舞台写真(下)6点、掲載されています。
いずれもステキなものばかりです。
また寄稿されている原稿は、
・「観世華雪・求塚」 横道萬里雄
(復曲に協力された横道先生が当時のことを書かれています。)
・「観世華雪と一六の稽古 -梅若家とのつながりも含めて」 三浦裕子
(明治時代に行われていた、能楽師の稽古の様子を書かれています。)

・「榮夫さんから学んだこと」 野村萬
(演劇人としての榮夫先生の生き方、考え方などを紹介されています。)
・「求塚、当麻、邯鄲」 川本喜八郎
(人形アニメーション作家・川本喜八郎さんが銕之丞家とのかかわり、能とのかかわりを紹介されています。)
本当に充実した内容のパンフレットです。
若干残っていると思いますので、ご希望の方は銕仙会に申し込まれてみてください。
(銕仙会 03-3401-2285)