もうすっかり春ですね。
これは一週間ほどまえに携帯電話のカメラで撮影したものですが、表参道の地下鉄の出口から銕仙会の舞台に行く途中に、街路樹に混じって梅ノ木が咲いていました。
毎年この梅を見るのが楽しみなのですが、街路樹に低木の梅ノ木なんて、おそらくほかにはないでしょう。きっと花好きの人がこっそりと苗木をうえたのでしょうね。多謝!
この梅ノ木は春の使者になっているようです。(^^♪
昨日、「浅見真州の会」で上演される「屋島・大事(だいじ)」の申し合わせがあり、今日が本番です。
「屋島」は源義経の屋島での武勇を春の情景と共に描いた作品です。
義経が登場する能の作品は、幼少の牛若時代から成人した義経までを年代順におってあげてみますと、
「鞍馬天狗」、「橋弁慶」、「烏帽子折」、「船弁慶」、「正尊」、「安宅」、「摂待」、そして「屋島」。
この「屋島」だけが、死後の世界から義経を捉えた夢幻能になっています。
『面白や月海上に浮かんでは、波濤夜火に似たり・・・』
にはじまり、
『春の夜の波より明けて、敵と見えしは群れ居るかもめ・・・』
で終わっています。
春ののどかな宵から明け方までの間、修羅能であるはずの「屋島」は、本来は戦を起こした罪で修羅道の地獄の責め苦を受けるはずなのですが、かえって義経の武勇な姿が浮き彫りにされています。
悲劇のヒーローは現世で苦渋をあじわったので、死後は許されたのかもしれません・・・(^_^.)
続く