先日おこなわれた国立能楽堂特別公演。
番組
能「岩船」 豊嶋三千春
狂言「靱猿」 野村万蔵
能「求塚」 山本順之
この春3度行われる「求塚」の公演の、一回目が終わりました。
所要時間 1時間50分。
重厚な作品で、いかにも大曲という感じがします。
この「求塚」のことについては
1月4日のブログで少し紹介しましたが、私にとってたいへんな仕事がまっています。
改めてこの3度の公演を紹介しますと、
①シテー山本順之 地頭ー野村四郎 1月26日(土) 国立能楽堂 特別公演
②シテー梅若晋矢 地頭ー柴田 稔 2月21日(木) 都民劇場能 宝生能楽堂
③シテー観世銕之丞 地頭ー山本順之 3月30日(日) 観世華雪五十回忌、観世榮夫一周忌追善能 観世能楽堂
なにを言いたいかというと、「求塚」2回目の公演・都民劇場能で、シテが梅若晋矢さんのときに私が地頭を勤めることになっています。
都民劇場能の求塚」はなんだか若手の公演みたいになっていますが、観世流では「求塚」は重習いのいわゆる大曲扱いです。
①、③の公演を見ていただければ、シテと地頭を代表するとそうそうたるメンバーです。
囃子方も大鼓は3回とも亀井忠雄師ですし、他のメンバーも各役重鎮の方が勤められます。
逆に言うと、それだけたいへんな作品なわけです。
どういうわけか、私にこの「求塚」の地頭の役が廻ってきました。(そのいきさつは1月4日のブログをご覧ください。)
私にとっては、今年一番の大勝負となる舞台になるかもしれません。
能「岩船」について
観世流では「岩舟」は、一日の番組立ての一番最後に行われる付祝言として演能されている作品です。
所要時間15分ほどの、ごくごく短いものです。
じつは観世流では前半部分の伝承が無くなって、ワキの名乗りから直ぐに待謡になり、後シテもあっという間に終わります。
今回の「岩舟」は金剛流の公演で、元のままの「岩舟」が伝承されており、この前半部分も省略無く、観世流では見ることの出来ない私達にとっては貴重な公演を見ることが出来ました。
金剛流の「岩舟」は脇能となっていますので、一日の演目のはじめに上演されます。
あらすじは、
前半は、時の御世の治政を祝福して、天の探女(あまのさくめ)扮する童子が天皇に捧げるための宝珠を持って現われます。
後半は、数々の宝を積んだ『岩船』を龍神が守護しながら運んでくる有様を見せます。
観世流では龍神は「早笛」という勢いのある出囃子で、赤頭に小龍をつけて現われ、豪快でかつ軽快な動きを見せるのですが、
金剛流ではこの龍神は、「出端(では)」というしっかりとした出囃子で、白頭に大龍をつけて現われ、どっしりとした重厚な動きを見せます。
流儀によって同じ演目でも、このようにまったく別な扱いになっているのは面白いですね。