今年最後の銕仙会主催公演、12月の青山能と、それに先立ち青山能研究公演が19日に行われました。
青山能研究公演
番組は研究公演なので
能「小鍛治」 安藤貴康
この一番だけです。
上の写真は、時の帝(みかど)より新たな刃を作れと勅を受けた鍛冶職人・宗近(むねちか)の
仕事場を現す作り物です。
舞台では正面の前に出され、帝からの勅命なのでしめ縄が張られ、御幣が添えられています。
中央の四角いものは『鉄床(かなどこ)』と呼んでいる熱い刃を叩く時に使う道具です。
手前には刃とそれを叩く槌が置かれています。
この日は銕之丞家で書生をしている安藤君の初シテの舞台でした。
私は後見で装束を着けたりする役目で出演させていただきましたが、
初シテの舞台というのは、なんともいえない魅力があります。
後の宴会で初シテの舞台は聖域だ、という話しが出ましたが、まさにそのとおりだと思います。
私の場合もそうでしたが、初シテのときはその日が公表された時から当日まで、毎日その舞台のことばかり思いめぐらしながらの生活を送ります。
周りの者も自分の経験と照らし合わせながらそっと見守っています。
本人にとっては、まさに聖なる体験なのです。
この日の舞台も一生懸命な姿が伺えて、いい舞台だったと思います。
これからが大変なのですが、共に頑張っていい舞台を創って生きたいです。
余談ですが・・・・
この日の客席に、お相撲さんの琴欧州が観に来ていました。
シテの安藤君のつながりのようですが、能舞台でお相撲さんの姿を見るのは始めてです。(^。^)
で~んと腰掛けているお相撲さん、チケット代は2倍はいただかないといけないな、そんな気もしたのですが・・・(^_^.)
青山能 「井筒」 岡田麗史

岡田さんはこの秋体調を崩され、久々の舞台でしたが、この日も最後までしっかりと勤められました。
この写真は、「井筒」の作り物です。
枠組みが井戸で、秋の風景を表わすため、象徴的にススキが付けられています。
今回使ったススキは造花です。今の時期ススキは萎びてしまって良い形のものが手に入りません。
9~11月頃に上演される「井筒」は生花を使いますが、それ以外のときは造花で対応しています。
この写真は演者側から見た角度で写しています。
ススキが右側についているのですが、『見れば懐かしや・・・』とススキを押しのけて井戸を覗き込むとき、その姿がお客様によく見えるようにと、左に付ける時もあります。
その時のシテの考え方次第なのですが、舞台にはそういった細かな工夫が配慮されています。