11日火曜日、10月の青山能で勤めます「隅田川」の稽古能がありました。
「隅田川」はわが子を亡くした母親の悲しい物語です。
つらい現実の中で、せめて物語の中では幸せになるというのが能のスタンスですが、
この作品だけは救いがありません。
室町時代に創られた「隅田川」は今日までに何千回、何万回も上演されてきたことでしょう。
しかしこの作品には人間の悲しさの原点みたいなものがあって、行われるたびに演者も観客も厳粛な気持ちにさせられます。
それだけ深い能で、演じるものとしてはとてもむつかしい作品です。
それゆえやりがいがあるのですが、
演者の技量はもちろんのことですが、その人間性も大きく問われるおそろしい作品でもあります。
どこまで勝負できるか、挑戦です!
またこのブログでも、いつものようにこだわりを持ちながら、
「隅田川」を100倍楽しく観る方法
をシリーズで連載する予定です。 乞うご期待!(^。^)
「小道具について」
上の写真は「隅田川」で使われる小道具で、女笠と笹です。
笹は狂女のしるしとして使われるもので、笠は旅をしていることを表しています。
笠に観世流だけ女笠、男笠という区別があり、女笠は丸い形に作られていて、男笠は天辺がとがった形になっています。
他流では笠といえば男笠の事を指します。