昨日、「荻原達子さんを偲ぶ会」が東京會舘にて行われました。
お葬式は身内だけの密葬で行われましたので、
能楽界をはじめ、他の演劇分野の方も含め総勢400名もの方々がお別れに来られていました。
当日は観世流の重鎮、片山九郎右衛門師の追悼のご挨拶から始まり、
イベントとして、
・「鷹姫」の居囃子
出演
野村萬、宝生閑、山本東次郎、大槻文蔵、梅若六郎、観世銕之丞、赤松禎英、山崎正道、柴田稔
笛ー藤田六郎兵衛、小鼓ー大倉源次郎、大鼓ー亀井広忠、太鼓ー三島元太郎
・朗読 白石加代子 「夢十夜」(夏目漱石作)
が行われました。
「鷹姫」は1967年に銕仙会で初演された時より、制作にかかわってこられ、
また朗読は銕仙朗読会を企画されて公演を行われていました。
両方とも荻原さんの仕事に大きくかかわっていたもので、今回の追悼イベントに選ばれたものだと思います。
今回そうそうたるメンバーが出演されている「鷹姫」に出させていただいたこと、光栄に思っています。
荻原さんは銕仙会の事務局長を35年間勤められ、退職後は能楽座のゼネラルマネージャーとして能の普及に努めてこられました。
その恩恵は能楽師・能楽研究者にとどまらず、じつに多くの方に及び、この度のような盛大な追悼会となったのだと思います。
「荻原達子さんを偲んで」という冊子が当日配られましたが、それには40数名の方の追悼文が載せられていました。
またこの冒頭に荻原さんが「赤旗」新聞に掲載された、「能・狂言へのいざない」という文章が載せられていたのですが、
その中から荻原さんの仕事の原動力ともなる言葉が書かれていましたので紹介します。
「役者の内面が技術をとおして咲かせた花、そういう舞台に遭遇したときの感動こそ能の最高の魅力なのです。」
生意気なことを言わせていただければ、このために我々役者は命を懸けているといっても過言ではないと思います。
今年の三月、私は銕仙会の公演で「邯鄲」を勤めさせていただきました。
申し合わせの前日、荻原さんから、
「当日は都合悪く観れないから申し合わせを観にいきます。」
という電話をいただきました。
いままで私の舞台をご覧になっても、直接言葉をかけていただいたことはあまりありません。
どうでしたかと聞くと、まだまだね、といわれるのが分かっていたのでこちらからも感想を聞くことを控えていた、というのが正直なところですが・・・。
しかしいつもご覧頂いている、それが私の大きな支えにもなっていました。
私が主催する「青葉乃会」を命名していただいたのも荻原さんです。
今一番大切な人を亡くした、そんな思いで一杯です。
いい舞台を創っていく、これが何よりの手向けになるのだと思います。
合掌