ニューヨーク・ジャパンソサエティ
100周年記念薪能
この公演は「太閤能の復元」というタイトルで行われます。
豊臣秀吉は自分の武勇伝を能に作り上げ、みずから能を舞ったほど、能を好んだ天下人として有名です。
秀吉が作った能を「太閤能」といわれていますが、中でも今回は、関東の武士・北条氏政を征伐した秀吉最後の戦を題材にした『北条』が復曲され、私はこの『北条』の地頭を勤めます。
シテは北条氏政。
下克上を勝ち捕り、天下人になった秀吉はその哀れさを感じ入ったのか、能『北条』は北条氏政の供養のための作品とも言われています。
前半はシテ・氏政の霊と、ワキ・禅僧がひざを寄せ合い、禅宗による静かな諦観の場面があり、
後半は氏政が自害した有様をみせます。
いわゆる修羅能ですが、とてもよく出来た作品だと思います。
自害する最後の場面の詞章を紹介します。
「この城離れて出で給わば、雑兵の手に掛かりつつ。必ず不覚有っつべし。
それがし介錯申さんと、涙を流して申せしを。
もっともと同心し。
もっともと同心し。自害をせんと刀を抜き持ち、弓手(左)におし立て、馬手(右)へ引く。
後ろより首打ち落とし。陸奥の守も。
腹切り果たし無念さを。
今御僧の教化にて・・・・」
これを武士の美学とでも言うのでしょうか!
ちなみの秀吉は53才から能を稽古して、10ヶ月後には3日間の禁中能で能を12番勤めています。
ありえないことです、絶対に!
このことはまた折を得てアップします。
アメリカから携帯電話でブログを更新してみます!!!!
ではでは・・・