
この日の公演のフィナーレでは、大野一雄さんが満場の大拍手を浴びながら車椅子に乗って現れました。
神格化された伝説の人の来現ともいうべき、なんだか荘厳な感じです。
その時に流れていたバックミュージックは、プレスリーの「ラブミーテンダー」!
感動的な場面でした!
実は大野一雄さん、ご存命ですが近くで拝見すると「眠れる人」になっておられました。
お客様もそのことはご存知だったのでしょうね、そんな大野さんを温かい拍手で迎えられていました。
大きな拍手に応え、ご子息の舞踏家でもある慶人さんが(上の写真、右上のスキンヘッドの方です)、車椅子の大野さんを引きながら音楽にあわせて踊っておられました。
この音楽、きっと大野さんの作品に出てくる曲なのでしょうが、題名は分からなかったです。
客席で観ていた方に後で聞いたのですが、その時の大野さんは、微妙に表情が変わっていたということです。
大野一雄さんご本人もさぞかしうれしかったのでしょうね。

私が大野一雄さんの舞台を始めてみたのが今から17~8年前、有楽町の朝日ホールでの公演でした。
作品名は、「わたしのお母さん」、「ラ・アルヘンチーナ頌」のどちらかだったような気がするのですが忘れてしまいました・・・
突如として客席に座っている私の目の前に現れ、舞踏が始まりました。
しわくちゃな肌に白粉を塗りまくった姿、見た目はそんなのまったく美しくはありません。
かえって醜悪かもしれないです。
しかしその肌が輝きを増してくるから不思議なのです!
醜悪な感覚から陶酔へと導いてくれます。
その時の大野さんは80歳過ぎ。
ほんとうに不思議な人です。