いつも記事を投稿するときは、その日の日付が変わってしまい、もはや二日前のレポートです。
今年の銕仙会初会の番組は、「翁」、能「二人静」、狂言「二千石(じせんせき)」、能「鷺」。
当日は雨にもかかわらず、満員のお客様でした。
どうもありがとうございました。
今日は
「翁」について少し触れてみます。
毎年初会の口開けは必ず「翁」を上演し、われわれ能役者も今年一年の始まりを自覚します。
「翁」の前に、能とも狂言とも印をわざと入れていません。
「能にして能にあらず」といわれる所以ですが、この「翁」は能が成立する室町時代以前から、国土安穏、五穀豊穣を祈願する宗教儀式として行われ、現在まで綿々と続いています。
常の能のように、物語としてのストーリ性はなく、「とうたらりたらりらーー」となんだか呪文めいた言葉を謡い、われわれにとっては今年一年の能の公演の成功を祈願する儀式でもあり、そのいでたちも、常の紋付袴ではなく、全員が頭には侍烏帽子をつけ、素襖を身にまとい、正装の姿で全員が幕より出ます。
また舞台に出る前にも、いろいろな決まりごとの儀式があり、ことに「翁」を演ずる役者はこの日のために精進潔斎をして舞台に臨みます。
楽屋もいつもにない緊張感に包まれ、見所もぴんと張り詰めた空気が漂っています。
この気分を味わうため、必ずお正月には能楽堂に足を運ぶ方が多くおられます。
今年の銕仙会の初会も無事終わりました。
どうぞ今年もよろしくお願い申し上げます。