本番まであと二週間となりました。
私なりに「三井寺」の紹介をさせていただきたいと思います。
【「三井寺」 現在能・物狂能】
能は大別すると夢幻能(むげんのう)と現在能(げんざいのう)の二種類があります。
夢幻能は世阿弥が創り出したものですが、死者の霊がこの世に現れ、多くの場合は僧と出会うのですが、その土地のある物語を述べ、実はその人物は私なのだと言って姿が見えなくなります。
その晩、僧の夢の中に先ほどの霊が在りし日の姿で現れ、昔を回想し舞を舞ったりエピソードを再現したりします。
夢の中に幻が現れる、つまり夢幻能なのです。
現在能とは、いわゆるお芝居です。現実の世界で起きた出来事を展開してゆく構成です。
「三井寺」の場合、母が子を見失い、その子を探し求めて再開するという物語で幻は現れません。
母は悲しみのあまり突如として我を忘れ、一種の物に憑かれたような興奮状態になって舞を舞ったり、歌を歌ったりと大道芸のようなことをする、こんな女性を能では”狂女”と言っています。
ゆえに「三井寺」は現在能の中でも狂女物という部類に分けられています。
【「三井寺」の設定】
時:ある中秋の名月の日
所:前場 京都清水寺 後場 近江国三井寺
人物:母(シテ)、清水寺の宿屋の主人(狂言方)、三井寺の僧・従僧(ワキ方)、子(子方・千滿)、三井寺の能力(狂言方)
【狂言方の大活躍】
「三井寺」で大きな役割を果たしているのが二人のアイ(狂言方)があげられます。
・まず前場に登場する清水寺のあたりの宿屋の主人。実は夢占い人でもあります。
シテが清水寺に参拝しているある日のこと、観音様から霊夢を告げられ、宿屋の主人が説く霊夢の占いによって物語が大きく進展してゆきます。
・後場に登場する三井寺の能力(のうりき) この能力は緊張感が漂う舞台をとても和らげてくれます。
※能力とは、寺で力仕事などをする下級の僧のこと
①三井寺で僧たちが十五夜の月見をしている中に子ども(じつは千滿)がいるので、子どもの慰みにと楽しげな舞を舞ってみせます。
②また狂女が来たと人々が騒いでいるのを見つけ、境内に引き込もうとしますが僧に制止されるにもかかわらず、面白がって境内に引き込みます。
③この能力は三井寺では鐘を撞く役目があり、初夜(午後8時)の鐘を舞台で撞く所作があります。鐘の音を擬音で、
「じゃーん もーん もーん もーん」と3回発声します。月光に照らされた湖畔の世界が聖夜と化し、美的な陶酔感が舞台に充満します。
次回は格段の見どころを紹介してまいります。
三井寺山門
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