能「定家 ~秘めたる恋~」
主題 定家を愛する式子内親王の愛の世界
式子内親王(1149or1153~1241)後白河天皇の第三皇女 賀茂斎院 歌人
藤原定家(1162~1241) 平安末期から鎌倉初期にかけて活躍した歌人
登場人物(題名は定家でも、定家は登場しない)
前シテ・後シテ 式子内親王の亡霊
ワキ 北国から都にやってきた旅僧
アイ 所の者(前場と後場の間に物語の説明をする)
時 神無月(10月)10日 旧暦なので今の11月10日あたりの夕刻
所 京都の上京・千本あたり
構成(3場面)
1 前場の前半 定家の建てた「時雨の亭(しぐれのちん)」で定家を回想する場面
2 前場の後半 式子内親王の墓の前で、定家との激しい愛の物語を語る場面
3 後場 同じく墓の前で、定家の執心が蔦葛となって式子内親王にまとわりつく場面
重要な語句の説明
「時雨(しぐれ)」 秋の終わりから冬にかけて、盆地などで降る通り雨(京都の北山時雨が有名)
「時雨の亭(しぐれのちん)」 亭とはあずま屋のことで、柱と屋根だけの粗末な建物
「定家葛」 つる性植物、初夏に白い花を咲かす。つる状の枝がどんどん伸び壁や木などにまとわりつく。能「定家」の物語から「定家葛」と名付けられた。
各場面の説明(私の想像を含めた説明です)
1 前場の前半 時雨の風情を描く
晩秋の夕刻、時雨の亭での出来事
北国から都を訪れた旅僧が時雨に出会い、雨宿りをした。
それは「時雨の亭」という、藤原定家が建てたあずま屋だった。
そこへ物思いにふけった女性がやってきて、旅僧に定家とこの時雨の亭のことを語りだす。
定家は時雨降るこのあたりの景色がたいそうお気に入りで、時雨の亭を建て、ここでよく歌を詠んだという。女は遠い昔を思い出すように説明した。
じつはこの場所は、定家と式子内親王が逢瀬を楽しんだ愛のスポットだったのだ。
女の横顔からは、かつての恋を思い浮かべている様子がうかがえた。
女は、定家がこの時雨の亭で詠んだ歌を旅僧に教えるのだった。
偽りの なき世なりけり 神無月
誰(た)が誠より しぐれ初めけん
歌意
「偽りの多い世と考えていたがそうではなかった。十月になるといつも必ず時雨が降り始める。これはいったいだれの誠の心によるのだろう」 (謡曲集1 小学館より)
旅人はこの歌に深く感銘し、いま降る時雨も亡き定家が見た時雨と同じだと、すっかり荒れ果てているこの場所に世の無常を感じ取った。
女は昔の思い出に涙するのであった。

時雨亭跡碑 常寂光寺
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