第27回 草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル:草津音楽の森コンサートホール

今日草津で室内オペラ『絵師』の公演がありました。(またまた日付が変ってしまいましたが・・・)
先日お知らせしましたように、この作品は芥川龍之介の『地獄変』を戯曲として新たに作られたもので、作者・作曲者は共に西村朗氏。
今日頂いたパンフレットをみると、この作品は1999年ドイツで初演され、今回が2回目の公演のようです。
室内オペラといっても常のオペラと少し様子が違います。
オーケストラは台本を一人のソプラノ歌手が歌い、音楽は現代音楽(楽器構成は、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、フルート、クラリネット、打楽器)、その歌や音楽にあわせダンサーが踊るというものです。
今回はこのダンサーの役を、観世榮夫師を筆頭に4人の能役者が受け持つことになりました。
台本は日本語です。初演の時のソプラノ歌手は外人でしたが、日本語で歌っておられました。少し不思議な日本語でしたが(DVDを見て)・・・
今回は日本人の歌手でした。
上の写真のように舞台上手にオーケストラが、中央から下手の部分が役者のスペースとなっています。
『絵師』の話の概要は、
時は室町時代、将軍がある美しい女性に恋をします。この女性の父親が天才的な才能を持った絵師です。父親は娘を将軍の下から取り返そうとしますが、娘と引き換えに地獄絵を描くことを言い渡されます。絵師は弟子を強烈に折檻し、苦しむ様子を地獄にたとえ描くのですが、なにか物足らない。もっと恐ろしいこと、それは牛車に女性を乗せ、それに火をつけ炎上する様を描くことを望みました。この申し出は叶いましたが、さてその牛車に乗せられた女性はわが娘だったのです・・・・・・
4人の能役者の役は、将軍、絵師、娘、弟子です。
役者は、観世榮夫、清水寛二、西村高夫、柴田 稔。
誰がどの役をやったのでしょうか?
このメンバーをご存知の方、少し想像してください。
ご存知でない方のために少しヒント。
この中で長老は観世栄夫、残る3人の仲で先輩は清水寛二、小柄で色白は西村高夫、若輩は柴田 稔。
もうお分かりですよね。答えは最後に!

牛車です→
能「熊野」の時に出す花見車とおなじですが、今回はこの牛車が炎上する様子を現すのに裏方さんの凄い努力がありました。
黒い箱型の枠の中に牛車を置き、周りに4本の火柱が立つのです。下から扇風機のようなもので煽り、炎がゆらゆらと燃えているかのように見えます。それに赤い照明が当たり臨場感たっぷりでした。
この作品の大きな見せ所になりました。
ただ残念なのは、オペラ歌手の歌う声が言葉としてお客さんには聞き取れないのか、能楽堂で謡本を広げている人の割合よりもっと多くの方が、パンフレットの詞章とにらめっこだったということを聞きました。
舞台に立つ身としては、はなはだかなしい事です。
この秋より国立能楽堂では、オペラハウスのように座席の背に文字盤ができるようです。
能の進行にあわせ解説が流れるのでしょうかね。
こうなるとますますお客さんは舞台を見なくなります。
大げさに言えば、この一瞬に命をかけている場面というのも役者にとってはあると思うのです。
そんな時座席の文字盤にお客様の目がいってると・・・
考えただけでも寒気がします。
今の風潮で仕方ないのでしょうが、便利さだけを追い求めて欲しくないです!
上の答え!
絵師ー観世榮夫
将軍ー清水寛二
娘ーー西村高夫
弟子ー柴田 稔
私は草津まで、師匠に鞭打たれ、もだえ苦しみ、逃げ惑い、さんざんな目にあいに行ったことになります。トホホ・・(涙)
その上ホールの堅い床の上で、飛んだりはねたり。おかげさまで今は膝がガクガク!
これこそ、地獄だ~~~~!!!
以上。