今日は(またまた日付変更線を過ぎましたが)、午前中に行われるはずだった新作能「原爆忌」の稽古が中止になり、朝は予定外の休養でした。
(新作能「原爆忌」は、8月25日ー東京・両国シアターX、29日ー大阪・大槻能楽堂にて昨年に引き続き再演)
昼から浦和一女の稽古に出かけ、その帰り池袋のサンシャインシティ文化会館で行われている第23回産経国際書展を見に行きました。
知人の書道家・小宮求茜(きゅうせん)さんがこの展覧会で産経国際書会会長賞を受賞され、ご案内を頂いていたので拝見に伺いました。
小宮さんは「かな部門」での受賞で、和歌数十種をオリジナルな色紙の上に細やかに書かれています。
もとより書道のことなんか
ちんぷんかんぷんで、どこがよいのやらまったく分かりません。抽象絵画的な作品はそれなりに楽しめましたが・・・
受賞部門は、かな、漢字、現代書道というように分かれており、00受賞作と記されていると、これが良い作品なんだぁ、とすぐにへんな先入観で作品を見てしまいます。
こういう見方ってよくないですね、自分にとって面白いかどうか、自問自答しながら見なければいけないと思うのです。書のことはよく分からないので、どうしても他人の判断基準に頼ってしまう弱いところがあります。
能の見方を人に尋ねられたら、はじめから理解しようとはせずに、まず自分にとって興味の引くところから紐どいてくださいというようなことを常々言ってるくせに・・・(汗)
あぁ、人間ってずいぶん、いい加減です!
この書道展には数百点の作品が展示されており、これを全部見るだけでも大変です。
ルーブル美術館も一日で見てまわるのは大変なことで、ある目的を持って集中的にみなければ良い鑑賞はできないのと同じように、このような書道展もきっとそれなりの見方があるのだと思います・・・
そのあと八重洲ブックセンターで
「八重洲朗読会」に行って来ました。
今月の2日に行った「バックステージツアー」で、急遽、芥川龍之介の詩「相聞」の朗読をお願いした飯島晶子さんが出演されています。
まず始めに、早口言葉の練習がありました。
「この竹垣に 竹立てかけたのは、竹 立てかけたかったから 竹立てかけたのです」
これは相当ムツカシイですよ。どうです!
これらの朗読に関することはことは飯島さんの著作集「声を出せば脳はルンルン」(清流出版)にでています。
飯島さんはこのあと宮沢賢治の詩「永訣の朝」と、司馬遼太郎作「功名が辻」を朗読されていました。
良い朗読を聞くと、こちらの想像力がとても豊かになり、
言葉がまるで生き物のように聞こえてきます。
異次元の豊かな世界に誘われた、そんな感じがしました。とてもよかったです。
また宮沢賢治の詩「永訣の朝」は、昨年の暮れに新作能「永訣の朝」とし上演したばかりなので、詩はすべて覚えていていたので、この詩を理解する新たなイメージが沸いて、大変面白かったです。
思わぬところで、宮沢賢治の作品と再会することになりました。