今日は虫干しの最終日(またまた日付けが変ってしまいましたが)。決まってこの日には「面」の虫干しです。
古くは室町時代のものから、現代作家によるものまで270面ばかり、舞台や客席に所狭しと並べられています。
国の文化財に指定されているものもあり、現代の面打ち師や能面愛好家などが多く見学に来られます。
文化財クラスの面は、本来ならばガラスのケースに入れて陳列すべきものなのでしょうが、銕仙会の虫干しはただテーブルや床の上においてあるだけなので、間近に見れるとあって、面好きな人にはたまらないものだと思います。
面は能役者にとって命みたいなものですから、私達はとても大切に扱います。たとえば舞台で面をつける前には、両手で面を持ち頂き上げ、頭を垂れます。そして面を当てることによって、その役に変身するわけで、この瞬間はある種のトランス状態を引き起こす神聖な儀式ともいえます。
青山のここの舞台の場合、1階にお蔵があるので、面が2~3面入っている箱をわれわれ役者が両手に抱えて上の舞台に運び上げます。今日は10名ほどの人数がいましたが、それでも一人が十数回往復しなければいけません。なかなかいいダイエットになります(・_・;)
私はこの日は午後からNHKの録画があり、後片付けはサボってしまいました。
残って作業された方スミマセンです!<(_ _)>
梅若六郎師の「江口」の収録で、地頭は山本順之師。(私も地謡いなのですが、座る位置が後列の端っこなので画面にはほとんど映っていないと思います)
この放送は11月11日午後2時50分よりNHK教育テレビで放送される予定です。
今日の仕上げは虫干しの打ち上げ。NHKの収録のあと合流して、浅草のすき焼き屋さん「米久」で宴会です。ここは典型的な関東風の鍋で、厚さ1センチ、直径10数センチの小ぶりの鉄鍋に割り下を使っていただきます。うまかったです。 \(^o^)/ 霜振り肉たっぷりいただきました。
これで一応今年の前半戦は終了です。