2月26日(日) 逗子能 午後3時半始
逗子文化プラザなぎさホール
逗子市で恒例になりました逗子文化プラザホールでの能楽公演ですが、番組を紹介いたします。
【番組】
・挨拶 柴田稔 10分
・仕舞 「花筐(はながたみ)・狂(くるい)」 観世銕之丞 8分
・狂言 「貰婿(もらいむこ)」 野村万作 30分
・能 「安達原(あだちがはら)・黒頭(くろがしら)」 柴田稔 70分
(終演予定午後5時半頃)
【配役】
・仕舞 「花筐 狂」 観世銕之丞
地謡 長山桂三 谷本健吾 鵜沢光 観世淳夫
・狂言 「貰婿」 舅(しゅうと)野村万作 妻 石田幸雄 婿(むこ)中村修一
・能 「安達原 黒頭」 前シテ里女、後シテ鬼女 柴田稔
ワキ山伏 森常好 ワキツレ供山伏 森常太郎
アイ能力 野村萬斎
笛 松田弘之 小鼓 大山容子 大鼓 原岡一之 太鼓 大川典良
後見 鵜沢久 安藤貴康
地謡 観世銕之丞 小早川修 馬野正基 浅見慈一 長山桂三 谷本健吾
チケット全席指定 一般3500円 小中学生1000円
【事前講座】
公演に先立ち、当日の能をわかりやすく見るために事前講座を2回設けてあります。
・一段目 能『安達原の魅力』 2月14日(火)午前10時30分 さざなみホール
講師 表きよし(国士館大学教授)
表先生のお話はとても分かりやすいとの好評を得ています。それはお話しされる内容を綿密な準備のもとに構成されているからだと思っています。
安達原の民話伝説、能「安達原」の作品内容、見どころなどのお話が楽しみです。
・二段目 能狂言公演直前仕上げ 2月25日(土) 午前10時30分 なぎさホール
講師 笠井賢一(能楽プロデューサー・演出家) 柴田稔(観世流シテ方能楽師)
逗子能公演の前日に行われます。ホールには仮設能舞台が組み立てられ、本番を迎える準備が整っています。
その舞台でのお話となります。
能「安達原」は歌舞伎をはじめ、いろんな分野の芸能に影響を与えています。演出家の笠井さんには、日本伝統芸能の中の「安達原」をポイントにお話を伺う予定です。
私は、能舞台を目の前にして実際の舞台の流れ、見どころなど、演者の立場でお話したいと思っております。
事前講座受講料 全席自由 各回1500円
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昨年度は逗子文化プラザ10周年記念としまして、「高砂」、「羽衣」の二本立ての祝言能という公演でしたが、
私が逗子文化プラザで能を担当させていただいて、今回で10回目となります。
また開演前に、私がご挨拶をさせていただくことになりました。
逗子能の10回公演を振り返って感じてきたこと、同時に逗子の子供たちに稽古をしてきた「こども能」について。
あとは当日の番組の簡単な見どころなどを、お話しさせていただこうと思っております。
【柴田稔おもしろ解説】
・仕舞「花筐・狂」
仕舞とは能の一部分を面装束をつけないで、紋付き袴姿で演じる仕方を言います。
能「花筐」は仏教伝来以前の、日本古代における恋愛物語です。
また題名の「花筐」とは、花を入れる”花かご”のことをいます。
越前の国(今の福井県)に住む大迹部(おおあとべ)皇子に、突如次期天皇継承の勅が下されました。
皇子はとても律儀な方で、毎朝花筐に花を盛り神前に供えておられました。
またこの皇子には照日の前という恋人がいたのです。
照日の前が野の花を摘んで、皇子と一緒に神前へ供えていたのかもしれません。(これは私の勝手な想像です!)
さて都より勅を受けた皇子は、恋人に手紙と神に供える花筐を残して単身で都に登ります。
これを聞いた恋人の照日の前は二つの形見を持ち、皇子の後を追いかけるのです。
その道行が今回の仕舞いとなる、「狂(くるい)」と呼ばれている場面です。
「狂(くるい)」とは「気が狂っている」とか「気ちがい」という意味ではなく、世阿弥が定めた「狂い」のことで、
物事を一途に思い込んだ興奮状態のことを意味して、その興奮した様を舞であらわすことが”面白き”としているのです。
銕之丞師の狂いの舞が楽しみです!
・狂言「貰婿(もらいむこ)」
たわいない夫婦喧嘩をテーマにした狂言の一つです。
夫は酒にひどく酔って帰宅し、妻をののしり、ついには出て行けと暴言を吐いてしまいます。
妻は腹を立てて実家に戻るのですが、朝目が覚めた夫は深く後悔します(笑)←男だったら誰でも身に覚えがあることですよね!
急いで妻を取り戻しに行くのですが、実家では舅が取り次いでくれません。
夫は子供が寂しくしていると言って妻を取り戻そうとします。子どもをネタにする。←これもよくある話です(笑)
妻は子供が恋しくなり夫と帰ろうとするのですが、舅が許しません。
ついには夫と妻二人がかりで舅を打倒して家に戻るというお話です。
野村万作師がどんな舅役を見せてくれるのでしょう。今回の公演の楽しみの一つですね。
・能「安達原・黒頭(くろがしら)」
能では般若の面をつける作品が三つあって、その一つが安達原です。あとの二つは道成寺、葵上。
「安達原」は後場のシテの扮装によって「黒頭(くろがしら)」、「白頭(しろがしら)」という小書き(特殊演出)で行うことがあります。
般若の面の鬘は、常の場合前シテの黒い鬘のままなのですが、その鬘に代えてふわふわした黒いかしらや白いかしらをつけます。
「黒頭(くろがしら)」は敏捷性、力強さを強調したいとき、
「白頭(しろがしら)」は年たけた経験豊かな知恵者、よく『老猾(ろうかつ)』という言葉が用いられます。
常は前シテが中年の女という設定で「深井(ふかい)」または「曲見(しゃくみ)」という面を使いますが、
この二つの小書きの時は老女という設定に変わり「痩女(やせおんな)」または「姥(うば)」という面になります。
装束付けも常の時とは違って少し変化をつけます。
〈あらすじ〉
奥州・安達ケ原(福井県安達太良山)に詫び住まいしている女のもとに、諸国行脚の裕慶一行が訪れ宿を借ります。
女主人は枠桛輪(わくかせわ)=糸巻き車を回しながら自らの生涯を嘆くのでした。

枠桛輪
夜も更け暖を取るため女は山に薪を刈りに出かけことになるのですが、決して自分の閨(ねや)を覗かないようにと強く言い残してその場を去ります。
やっちゃあダメと言われたらやりたくなるのが人間です。
野村萬斎さん演じる能力がこの閨を何とか見ようとする場面があり、能の曲では唯一笑いが生じるところです。
地謡に座っていてもあまりの面白さに吹き出してしまうこともあります。
きっと萬斎さんの演技が会場を惹きつけてくれると思います!
女の閨には死骸が山のように積まれていたのでした。
約束を破った裕慶達に怒りをなし、鬼に変身した女が現れて襲いかかります。
最後には数珠を揉み祈祷する裕慶達のまえに祈り伏せられて姿を消してしまいます。
女がなぜ死骸を山のように持っていたのか、なぜ鬼に変身してしまうのか、この作品では作者は明らかにしていません。
人間性と鬼性を同時に持つ主人公の不気味さが焦点となっている作品です。
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