6月10日 銕仙会定期公演「女郎花」
先月の5月19日、「女郎花」の舞台となっています男山に登り、石清水八幡宮に行ってまいりました。
京都駅から近鉄電車に乗って「丹波橋」、ここで京阪に乗り換え「八幡市」でおります。
都合30分ほどで京都駅から到着しました。
男山は標高142メートル。丘という感じです。
正面の山が男山、手前に流れているのが放生川
男山を登って石清水八幡宮に行くには、現在ではケーブルが架かっていますが、私はもちろん歩きです。
「女郎花」のテキスト(謡本)に沿って、写真で石清水八幡宮を紹介してゆきます。
一の鳥居をくぐって表参道を歩いて登りました。
鳥居の額の「八幡宮」の「八」は、二羽の鳩が向かい合って「八」になっています。男山のことを別名「鳩の峰」ともいうようです。「女郎花」のテキストにも「鳩の峰」とでてきます。
一の鳥居を過ぎると、すぐに「頓宮」に着きます。
頓宮は八幡宮の神社から神輿が担がれ、その到着地点となる宮です。また頓宮は「お旅所」ともいわれて、能「女郎花」のテキストにも『お旅所を伏し拝み』とでてきます。。シテがワキの旅僧を初めて案内する場所がこの「お旅所」なのです。2人とも下に居て頓宮に向き両手を合わせて拝む場面があります。
頓宮を過ぎたあたりにテキストでは、『山下の人家軒を並べ』と感慨深くシテが謡うのですが、それがこんな景色のことを言っているのだと思います。
標高140メートル足らずの男山ですが、400段の階段を登っていかなければなりません。
能の中ではあっという間に頂上に着くのですが(笑)
二の鳥居、三の鳥居をくぐって男山の頂上に座す石清水八幡宮に到着しました。
石清水八幡宮は平安時代860年に宇佐八幡宮から勧進された神社です。
ワキの僧は九州の松浦から都に向かって旅をしているのですが、私の故郷の宇佐八幡宮とこの石清水八幡宮は同一体なので拝んでいこうと立ち寄っているわけです。
この頂上からの景色がこれです。
左奥の山が愛宕玉
正面の山が比叡山
この頂上から眺めた景色、テキストでは素晴らしく美しい言葉で紹介されています。
『巌松(がんしょう)そばだって、山そびえ谷めぐりて、諸木枝を連ねたり。
鳩の峰越し来てみれば、三千世界も外ならず、千里も同じ月の世の。
朱の玉垣御戸帳(みとしろ)の、錦かけまくも、かたじけなしと伏し拝む。』
この後せっかく山を登った二人ですが、男塚、女塚を見せてやるとシテが言うもので、二人はすぐに山を下りることになります。
能「女郎花」のクライマックスですが、
男女のすれ違いで、女は放生川に身を投げて葬られた塚から生えたのが女郎花。その塚が女塚
男もあとをって同じ放生川に身を投げ、その塚が男塚。
シテはワキの旅僧に、この男塚、女塚、放生川を案内するのです。
男塚
女塚
放生川