おはようございます。
今日は杜若について、ちょっと耳寄りなお話を少し。
みなさんはお手元に五千円札はお持ちですか。
お札の裏に描かれている花、これなんだかご存じでしょうか。
この花は杜若(かきつばた)で、尾形光琳の燕子花(かきつばた)図の一部だったのです。
根津美術館で国宝になっているこの燕子花図と紅白梅図が公開されています。
(こちらまで)根津美術館HPの写真を引用して、5千円札の杜若を認証してみます。
光琳の燕子花図
この中で5千円札に引用されているのが、中央右手の部分
なるほど一致していますね!
じつは今年のゴールデンウイークの5月2日、愛知県の豊田で能の公演がありました。
その時途中下車して、三河八橋の無量寿寺にあるかきつばた園に立ち寄ったのですが、地元の中日新聞にかきつばた園が紹介されており、5千円札の杜若図のいわれを知りました。
無量寿寺
かきつばた園の八橋
杜若の花
能「杜若」はこの三河八橋のかきつばた園が舞台になっています。
光琳は少年時代から能に親しんでいたことが知られ、このかきつばた園を訪れて、能「杜若」をイメージしながら「燕子花図」と「八橋図」を描いたのだと思います。
「燕子花図」は根津美術館所蔵、「八橋図」はニューヨーク・メトロポリタン美術館所蔵です。
数年前に「八橋図」が里帰りして、「燕子花図」と「八橋図」が根津美術館で同時公開されたことがありました。
このときこの二つの杜若の作品を拝見しましたが、「八橋図」の方が断然よかった印象を受けました。
じつは明日からニューヨークに公演で出かけます。
時間があればメトロポリタン美術館に寄って、今一度「八橋図」を見てこようと思っています。