昨日(29日)、みちのく、山形市にある東北芸術工科大学で薪能がありました。人工池に設置された立派な能舞台です。上の写真は舞台の後ろから撮影しました。あいにくこの日は天気が悪く、雨対策のため客席はテントが張り巡らされ、正面からは殺風景で良い感じの絵にはなりませんでした。
能・「清経」 松山隆雄
狂言・「成上り(なりあがり)」 野村万作
能・「土蜘蛛」 観世榮夫 清水寛二

屋根の上の左右のところに、なんだか不思議なものがありました。
お寺の屋根には鬼瓦というものがありますが、この像はそれにならった現代版鬼瓦とでも言うものでしょうか。狂言に「鬼瓦」という作品があります。都での勤めを終えたさる大名が久しぶりに故郷に帰ります。その途中ある寺の鬼瓦を見て、突然泣き出します。恐ろしい形相をした鬼瓦が、故郷で待っている妻の顔に似ている、帰りたくないと・・・
この写真をまじまじと眺めていると、この大名の気持ちがよ~く分かります(爆)
時代は変れど感じる事は同じなのですね(笑)

この大学での薪能は数年前から毎年行われています。
今回の公演のチラシに
【開催にあたり】
『7百年の歴史を持つ能は、「ユネスコ世界文化遺産」に指定されるなど、日本だけでなく、世界的な舞台芸術のひとつとされています。しかし、実際には国内でも能に親しむ風潮にはいたっていません。
本学に水上能楽堂「伝統館」ができました事を機に、より多くの県民の皆さまに幽玄なる能楽の世界に親しんでいただき、東アジアに生きる日本人としての社会的・文化的アイデンティティを確認する機会とさせていただければ幸いです』 (東北芸術工科大学学長 松本哲男)
こういう方たちの理解によって、能は大きく支えられているのでしょうね。
ありがたいことです。
この山形での観世榮夫先生は、「清経」の地謡を謡われ、「土蜘蛛」の前シテでした。前々日は東京で「邯鄲」のシテです。この日の舞台が終わった翌日は、早朝より新幹線を乗り継いで京都に行かれました。とても八十歳になろうとしている人の行動ではありません。ウルトラ・スーパーじいちゃんです(爆)