「ワッー、ドカンドカン。 あれあれ富士のお山が・・・」
「火を噴いた!」
「噴火じゃ。噴火じゃ!・・・・・・」 (紅天女、間狂言より)
江ノ島海岸から見た夕暮れどきの富士山です。
きれいです!
「紅天女」の公演では、大阪公演の2回目からお客様の拍手に応えるために、アンコールを行いました。
地謡と囃し方はそのままの姿で、シテ(紅天女)とワキ(一真)は舞台にポーズをとって梅の木の作り物の前に立ち並び、それから再び幕が上がります。もちろんシテは面をつけたままです。
この静止画面をお客様はご覧になったわけです。
地謡のものが、また囃子方のものが、笑顔を振りまいて、手を振って応えるなどしません。
いや出来ません。いつものように一点を見つめたままです。
それ以外にポーズを作れないのですね。せめてお辞儀でもすれば、もっと拍手は大きくなるでしょうが、それすらしません。あぁ・・ 日ごろの習性からで、能楽師の悲しい性(さが)というべきものでしょうかね(-_-;)
スチール写真を撮るときの景色が、お客さまにはアンコールのプレゼントになりました。
このときには間狂言の茂山さんたちは居られませんでしたが、狂言役者がいると何かやってくれたかもしれませんが・・・・
どうもこのアンコールは苦手です。
外国公演ではたびたび行う事がありますが、多かれ少なかれこのような仕様です。
オペラ歌手のように、大手を振ってかっこよく登場するなんて到底できないです(^_^;)
最終日は昼・夜二度の公演が行なわれましたが、地謡で私の座っている場所から、
最前列ど真ん中に同じ人が座っておられ、終演になると誰よりも真っ先に拍手を仕掛けられていました。まるでこの公演の守護神でもあるかのように・・・
楽屋でも
「最初に拍手した人、確か、昼間の時もいたよな・・・」
「今日二回も見てるんだ・・・」
みんな感心していました。
その女性は青いセーターを着ておられたのですが、終演後の懇親会で、美内先生の横に座っておられたのが青いセーターの女性で、美内先生にその話をすると、
「この方は別の人ですが、その青いセーターを着ていた女性は、「紅天女」の公演8回のうち7回もご覧になっているのですよ!最初の東京公演で2回、大阪で2回、今回の東京で3回です。」
そういえばぼくのブログにも同じような熱心な方からコメントをいただいていることを言いますと、
「その人の名前は誰ですか?」
「確かHNが『紫苑』というなまえでした」
「同じ人です!いつも公演のたびに長い感想文をメールで送ってこられます!」
またまた『紫苑さん』の登場です。梅若六郎師とも喫茶店で偶然にお会いになっておられるようで、彼女の熱心な舞台への思い入れが、いろんなところで現れているようです。
新作能「紅天女」は彼女をはじめとして、熱心なお客様に支えられて幸せだと思います。
これをきっかけに、そのうちの一人でも多くの方が能に興味を持たれ、能楽堂に足を運ばれる事を望んで、「紅天女」の締めくくりにしたいと思います。