8月25日
今日は能三昧の一日でした。
昼間は、さいたま市で能の体験教室。
夜は、国立能楽堂で能の鑑賞。
・能の体験教室 於:さいたま市プラザノースホール
大倉源次郎さんより依頼された仕事でした。
さいたま市で「むすびの会」という団体が行っている事業の一つで、日本のさまざまな伝統芸能を子どもたちに普及することを目的とした企画が行われています。
今年で7回目、昨年は雅楽を招いておこなわれたとか。
3部構成で行われ、
1部、能の囃子の体験 (笛ー八反田智子、小鼓ー大倉源次郎、大山容子、大鼓ー大倉慶之助、太鼓ー大川典良)
2部、能の謡、仕舞の体験 (西村高夫、柴田稔、鵜沢光)
3部、装束付けと解説、装束附舞囃子「羽衣」の鑑賞
今までは小学生を対象に行われて、今回初めて中学生をターゲットに選ばれたようです。
合唱部や吹奏楽部など、音楽のサークルに入っている人たちが中心で50数名の参加者でした。
みなさん、さすが音感はとてもよかったですね。
「羽衣」のキリの謡を教えましたが、一度手本で謡うと完璧に謡い返してきました。
教える者にとっては、とても楽ちんです。
短時間で盛沢山の内容でしたが、とても充実した企画だったと思います。
最後の仕上げは、参加者に取り囲まれて「羽衣」が演じられました。
こんなことが出来るのも、ワークショップならではです。
※大倉源次郎さんのダジャレ
風呂敷に包まれた小鼓をさして、これは
「こづつみ(小包)」
風呂敷をほどいて、これは
「こつづみ(小鼓)」
関係者には受けていました!(笑)
・国立能楽堂 企画公演
素の魅力 ~昭和以降の新作、復曲を中心に~
さいたまで体験教室のあと、夜はヒマでしたので、久しぶりに客席から舞台を鑑賞しました。
国立能楽堂の集客力はすごいですね、この日も満席でした。
番組
素囃子 「鶴ノ舞」 (一噌幸弘、鵜沢洋太郎、柿原崇志、金春國和)
袴狂言 「呼声」 野村万作ほか
仕舞 「山姫」 豊嶋三千春 (金剛流)
仕舞 「砧」 本田光洋 (金春流)
舞囃子 「夢殿」 友枝昭世 (喜多流)
能舞 「水の曲」 観世銕之丞 (観世流)
初めから余談ですが、素囃子は「すばやし」と読みます。能「杜若」、「三輪」などの小書きに“素囃子”というのがありますが、これは「しらばやし」と読みます。日本語の難しいところです。
パンフレットを見ながら曲目をざっと紹介しますと、
素囃子「鶴ノ舞」は、昭和34年に喜多実師による新作能「鶴」の舞の部分の演奏。当時藤田大五郎師が中心となって創作された新たな舞。「鷺乱」に似たところもあり、囃子方の技の匠という感じがしました。
袴狂言「呼声」は、和泉流では今までに上演はなかったようで、平成2年、野村万作師によって改定上演された作品。今回は装束を着けずに、紋付き袴姿で演じられました。
仕舞「山姫」は、屋久島に伝わる「ヤマヒメ伝説」を基に、平成10年豊嶋三千春師によって創られた新作能「山姫」のキリの部分の舞。
仕舞「砧」、能の「砧」は世阿弥の傑作とされている作品ですが、金春流では近年まで上演が途絶え、昭和38年に本田秀男師(本田光洋師の父)により初演されたようです。キリの部分の仕舞でしたが、観世流とでは型も位取りも違って、まったく別な作品という感じがしました。
舞囃子「夢殿」、聖徳太子を描いた新作能。昭和18年に喜多実師によって創作され、今日までたびたび上演されている作品。舞囃子では待謡から後シテの部分を上演。「融」を連想させるような作品でした。舞の部分は観世流で言うと、早舞の舞返の小書き付きの演出でしたが、舞の途中に橋掛りを使っておられました。観世流では舞囃子の時は橋掛りは使えません。今日の特別な計らいなのでしょうか。
能舞「水の曲」、これが今日の目当てでした。
昭和35年に初演された武満徹作曲、観世寿夫作舞による現代音楽と能がコラボレーションした作品です。
最近では観世栄夫師が好んでこの作品を演じておられました。
水滴の音を録音し、編曲構成された音楽に合わせ(舞台では録音されたテープの音が流れています)、舞を舞うというものです。
この作品の背景には、観世寿夫先生と武満徹氏にのこんな哲学があります。
『日本文化の根底にある無常感というものは、ただ一刻も同じではありえない変転する自然にたいして、フト出会う人間の生を、積極的に肯定する思想なのだ。』 観世寿夫(パンフレットより抜粋)
『ひとつひとつの音に、生物の細胞のように美しい形態と秩序があり、オーケストラは、それら個別の運動を持った無数の音が集合している人間の器官なのだ。』 武満徹(パンフレットより抜粋)
二人とも実際の体験を通して獲得した言葉であって、とても含蓄があります。
舞い手の出で立ちは、栄夫先生の時は水衣をはおった若い女性の姿でしたが、この日の銕之丞師は喝食(かっしき)の面を使われ、中性の姿で舞われていました。
また今回の演出では、舞台正先に幅50センチ、高さ10センチほどの丸い金属製の桶がおかれ、中には水が入っていました。
その桶をのぞき込み、水鏡に顔を移した時の姿が、水の反射で波打つ光に照らされ、とても美しかったです。
能の世界にどっぷりつかった、長い一日でした。
htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-16466620"
hx-vals='{"url":"https:\/\/aobanokai.exblog.jp\/16466620\/","__csrf_value":"be3ef5036f337377c56891ed302b2009de6040cc7133388af684922041b0cd810a6c8e6ff6df6fa6a85a65f5077b7a6c4aaaaff9ccc69e496aaa4144c055d2a9"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">