今年1年間、ありがとうございました。
今日は仕事納め。宝生能楽堂で道成寺の下申し合せ(したもうしあわせ)がありました。
能ではリハーサルのことを申し合わせとといい、通常では公演の前に一度だけ、出演者全員が集まって本番さながらの舞台稽古をします。
道成寺のような大曲になると、申し合わせの前にいま一度全員が集まって舞台稽古をします。
このことを”下申し合せ”と言っています。
今日は来年2月に小鼓方・幸清次郎師が主催される会の下申し合せでした。
道成寺の小鼓を勤める船戸明弘さんの披きで(大曲の初役を”披き”といいます)、観世銕之丞師がこれを受けてシテを勤められます。
普段だと年末のこんな時期に仕事はありませんが、今年は特例ですね。(^_^;)
やっと仕事から解放されて、謡い初めの1月5日までお休みです。\(^o^)/
年賀状
昨日あたりから年賀状制作に追われて、いまはやっとデザインも決まり印刷段階。プリンターがせっせと動いています。同業の能楽師、お弟子さん、青葉乃会のお客様、友人などなど合わせて600枚ほど。
こんな習慣なければ良いと思ったりもするのですが、元旦に年賀状が来ていないと、なんだか世間から取り残されているみたいで寂しいですよね。あっ、僕の出す年賀状は元旦には届かない。スミマセン!それにメールの年賀状なんて味気ないですし、かといって手書きで一枚一枚書いているかっていうとすべてプリンター任せの大量印刷・・・
まっ、ごあいさつの便りだと思ってせっせと出します。(笑)
明日は拙宅の大掃除、しかも夜は息子がプリンターを予約しているので何とか今晩中に仕上げねばなりません。(^_^;)
今年一年を振り返って
今年は「求塚」の地謡に始まって、「安宅」で終わったという感じです。
2月の「求塚」は地頭だったのですが、シテを勤めるよりしんどかったですね。大鼓の亀井忠雄先生からはおおいに勉強させていただきました。それなりの(自分なりの)結果的を出せたと思うので、まあ、良しとしておきましょう。(笑) 笑ってる場合ではないかも。(^_^;)
シテは6月に青山能で「鵺」。
この作品は本当にやりがいのある作品だと思います。
読み込めば読み込むほど手ごたえを感じます。「芭蕉」のような観念的なものではなく、すべてが具体的に表にあらわすことができるので、その駆け引きが演じていてとても面白かったです。
9月は銕仙会で「天鼓・弄鼓之舞」。
弄鼓(ろうこ)之舞という小書きの「天鼓」でした。通常の小書きの演じ方と変えて、シテの登場部分を省略せずに、また装束も小書きの時のスタイルではなく常の姿で演じさせていただきました。子を失った父親の悲しみをとくと演じたかったのですが、作品全他の上りを考えて、自分の力量も考慮し(汗)、夜の公演で能2番という一日の興行のことも考えると、素直に弄鼓之舞の小書きで、キュートな能にした方が良かったかと少し反省しています。
同じく9月に逗子・能三昧で「鞍馬天狗」。
「天鼓」の三日後にシテです。銕之丞師クラスになるとに当たり前のことなのですが、経験の少ない私などではすごい負担でした。
でも逗子のこども達を相手に楽しい稽古をさせていただいたので、いい思い出になりました。
あの子達が大きくなって、能の舞台を見に来てくれれば本望なのですが・・・
さて今年のメインイベント! 11月の青葉乃会「安宅」です。まづ正直な感想を、 「国立能楽堂は広いな!」
これは決して舞台のことではありません。客席の大きさです。(笑)
青山の舞台だと200人、喜多能楽堂だと300人集まば、今日はよく入っているなという感じになりますが、国立の場合だと600人ですから、これは私の集客能力をはるかに超えた数字なのです。(笑)
周りの方のお力添えで何とか満員近くまでこぎつけました。
「しっかりと舞台を勤めればそれでいいんだ」という考えもありますが、これはこれとして、やはり演じる方も見る方もお客様がいっぱいでなければ気勢が上がりません。
ここに改めて、青葉乃会にお越しいただいた方、またお世話になった方にお礼申し上げます。
ありがとうございました。
今年このブログでは「鵺」のことは丁寧にに紹介できたのではと思っていますが、ほかの作品については満足なことができませんでした。
あらかじめ勉強して書く記事をストックしておけば良いのですが、生来怠け者の私には到底できません。(^_^;)
来年はコツコツとアップしていくつもり(これはあくまでも希望です。(笑))ですので、どうぞよろしくお付き合いください。お願いいたします。
一年間ありがとうございました。 よいお年をお迎えください。
柴田稔拝