ピンボケのサンタさんでごめんなさい。
昨日のクリスマス・イブの日、「萠の会」の舞台でした。
こんな日に会をするなんて、よほどの勇気がいりますよね。
もちろん集客のことを言っているのですが、でも宝生能楽堂ほぼ満員でした。
クリスマスより能を選ばれたわけですよね、すごい! ありがたいですね!
これにはクリスマスに縁のない方が・・・・・・スミマセン (^^♪
会の後の宴会はホテル・ニューオタニでおこなわれました。
家庭を大切にしない能楽師の集まりは、クリスマス・イブの夜でも全員参加!
こんなの、へっちゃらです。しかも2次会もあって帰宅は午前さま!
いいクリスマスでした。(^_^;)
ホテルのロビーにいたサンタさんを携帯電話で撮りました。失敗です。(^。^)
宴席での話
「昨日から天気がくずれて、今日は雨になるんじゃないかと喜んでいたのに・・・」
会を主催するものにとっては、当日の天候はすごく気になるものです。
なるだけ晴天に恵まれて、お客さまをお迎えしたいと思うのが普通です。
しかしわれわれの中に雨を望む者がいます。乾燥した冬場などはことさらに。
囃子の小鼓方です。
舞台でよく小鼓の皮に息を吹きかけたり、つばを指先でつけたりしていますが、これは
常に湿気をあたえて、調子を整えているのです。
雨が降って湿度が上がれば、小鼓方にとってはいい環境になるわけです。
この日の小鼓は、「鸚鵡小町」が鵜沢洋太郎師。
今日の鼓の調子はとてもよかったね、と同席の人が褒めていました。
彼いわく、じつは今日の皮は親父のものだったのだと。
本来ならば後見で後ろに座ってくれるはずだったけど、少しでも親父の力を借りたかったので、親父のいい皮を使ったと。
ほろりとさせられるいい話でした。
(お父様の速雄先生はこの8月に他界されました。私の小鼓の師匠でした。)
「狂言遊宴」について
やはり宴席の時に、ある先輩が私の所にこられて小言を!
「能ではなくて、宴の催しをしているのだからみんなもっとくだけてやらないと、表情が硬いよ!」
これは仰せのとおりなのです。
狂言方は芝居ができますが、われわれシテ方は芝居が下手です。囃子方などにおいてはことさらです。
野村萬先生などは、満身の笑みで舞台に参加されています。とてもいい役者の顔になっているのです。
その表情を見ているだけで、自然と楽しくなってきます。
我々もなるだけ楽しげにニコニコしようとするのですが、下手なのです。
普段舞台で笑うなんてもってのほかのことですから、身についた習性からすぐにこわばってしまいます。ふざけるとしかられるのではないかとも思ったり・・・
かなしい性(さが)ですね!(^_^;)
さて肝心の出来はというと、挿頭花さんがコメントに書いてくれています。
好評価で安心しました。
また機会があればやりたいです!
この記事を書いた後、
挿頭花さんのブログを読みました。
「狂言遊宴」は能楽師の忘年会か!(爆)なんて書かれています。
面白いですよ。読んでみて下さい。
能「岩船」
シテー鈴木諷矢君(小1)
ワキー宝生朝哉君(小3)
このときは「狂言遊宴」が終わったばかりで楽屋で仕事をしていたので、舞台を見れず残念でしたが、舞台から聞こえてくる甲高い元気な声に大きなエネルギーをもらったような気がします。
ちびっ子能楽師の元気な舞台でした。