「天下一薪能」のネーミングについて。
延岡の薪能がなぜ、「天下一薪能」なのか?
この薪能の会場から歩いてすぐのところに、「内藤記念館」があり、安土桃山時代から江戸時代にかけて制作された能面数十点が展示されています。
パンフレットによりますと、
これらの能面は旧藩主内藤家が所蔵していたもので、今は延岡市が所有、管理しているそうです。
能面66点あり、このうち30点が裏に『天下一』の焼印があり、その内訳は、
「天下一若狭守」23面、「天下一是閑」2面、「天下一大和」1面、「天下一友閑」1面、「天下一備後」1面、「天下一近江」2面。
この『天下一』という称号は、もとは豊臣秀吉が優れた面打ちし師(若狭守、是閑)に与えたもので、江戸になってからは『天下一』の称号は伝承されていったようです。
この延岡の「天下一薪能」の大きな特徴は、能の公演にはこれら内藤家旧蔵の能面を使うということが上げられます。
今回の番組は、初日が「井筒」(半能)、「鞍馬天狗」。二日目が「自然居士」、「紅葉狩」(鬼揃え)。
「井筒」には小面を→
こちら参照
「鞍馬天狗」には大癋見(おおべしみ)を
→こちら参照
「自然居士」には喝食(かっしき)→
こちら参照
紅葉狩には小面を→
こちら参照
天下一の能面を使う薪能ゆえに、「天下一薪能」になるようです。