平成29年9月18日(月・祝)
日時:午後2時半始 会場:宝生能楽堂
今回は私の還暦記念として老女物「卒塔婆小町(そとわこまち)」を上演させていただきます。
今回は究極の能と言われます老女物「卒都婆小町(そとわこまち)」に挑戦させていただきます。
生けるものすべてに訪れる“老い”をテーマに取り入れた能を「老女物」と呼び、能では最も難しい作品とされています。
「卒都婆小町」の主人公は小野小町です。かつては才媛と美貌を誇った小町ですが、今は乞食にまで零落した哀れな姿を見せます。
百歳におよぶ老女小町は、杖にすがり笠に顔をかくし、とぼとぼと歩み出ますが、しかしその姿にはかつての佳人たる優雅さと気品が含まれていなければなりません。
老女物は演者の年齢と芸力が伴わなければ公演が許されない重い作品ですが、今回観世銕之丞師のお許しを頂き今回の公演となりました。その責任を全うすることと、またこの優れた能に立ち向かうことの喜びと幸せを感じつつ、よい舞台となるよう精進してゆく覚悟でおります。
私はこの5月に還暦を迎えました。歴が還るという意味合いにおきまして、第二の人生の出発点として新たに自分自身と向き合い、「老後の初心」を忘れず能舞台を充実させていきたい所存でございます。
本公演は観世銕之丞師の舞囃子「賀茂・素働」、野村万作師の狂言「萩大名」、野村四朗師の仕舞「雨月」でご出演を賜り、還暦記念公演に花を添えていただきました。
ご多忙の折とは存じますが皆さまお誘い合わせの上、ご来場賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
【番組】
・解説 中野顕正(東京大学大学院生)
・舞囃子 「賀茂・素働(しらはたらき)」
シテ 観世銕之丞
笛―槻宅聡 小鼓ー大山容子 大鼓ー山本哲也 太鼓ー小寺左七
地謡 山本順之他
・狂言 「萩大名」
シテー野村万作 アドー高野和憲 小アドー深田博治
・仕舞 「雨月・中入前」
シテー野村四朗
地謡ー浅井文義
・能「卒塔婆小町(そとわこまち)」
シテ―柴田稔
ワキー殿田謙吉 ワキツレー則久英志
笛―松田弘之 小鼓ー大倉源次郎 大鼓ー大倉慶乃助
地謡 観世銕之丞他
後見 野村四朗他
チケット料金S席(正面特別席) 8000円A席(正面) 7000円B席(脇正面) 6000円C席(中正面) 5000円学生席 3000円
ー第17回青葉乃会・事前講座ー
「卒都婆小町を読み解く」
時:9月6日 午後6時半~8時所:銕仙会能楽研修所(表参道)講師:姫野敦子(清泉女子大学准教授)
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お申込・お問合せ
・銕仙会 TEL:03-3401-2285(平日10時~17時) WEBからはこちら
演目解説はこのブログで更新してまいります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。