11月19日
没後110年 カリエール展 ~セピア色の想い~
2016年9月10日~11月20日
会場 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(新宿)
展覧会、最終日の前日、なんとか観に行くことができました。二か月ほど前、地下鉄・表参道駅構内に大きなポスターでカリエール展が紹介されていました。胸がときめき、なんとしてでも観に行きたいと思っていました。ぎりぎり滑り込みセーフでした。
10年前、上野の国立西洋美術館で「ロダンとカリエール展」という展覧会がありました。私とカリエールとの出会い、そしてカリエールの作品に対する想いは拙文ですがブログにアップしてあります。
〈ウジェーヌ・カリエール(1849年生~1906年没 享年57歳)〉
19世紀フランス象徴主義を代表する画家で、画家としての業績はかのギュスターヴ・モローと比較されます。今回の展覧会はカリエールの作品80点を集め、年代別に紹介された個展です。日本では初めての企画ではないでしょうか。正直言って、だれが観に行くのか!と思いたくなるような個展ですが、主催者にはアッパレと言いたいです!!!
この美術館初めて訪れます。西新宿の高層ビル、42階にあります。あいにくの小雨模様の天気で、見晴らしは良くなかったですが、晴れていれば富士山までもくっきりと見れたかもしれません。
【没後110年 カリエール展】
初期のころから晩年まで、年代別に展示されていたのを見て、多くの画家に言えることと思いますが、精密な描写から、精神性だけを求めて抽象的な表現に変化しているそのさまがとても面白かったです。しかし一貫していえることは、カリエールのセピア色の作品からは音楽も人の会話も聞こえてこない、きわめて寡黙だということです。
カリエールは終身妻から愛され、家族愛に恵まれて幸せな人生を送ったそうです。
彼の作品の原点はカタログにはこのように書かれていました。「しかし色彩は、カリエールが放棄する1880年代中頃まで、その作品に存在していた。カリエールに最初に成功をもたらした絵画は、つらい状況の中で生まれた。1885年の長男レオの死である。したがってカリエールの暗い色彩は、何よりも喪の配色かもしれない。」
今回の展覧会 主な作品
・羊飼いと羊の群れ(1877~1880)
・手紙(1887)
・母性(1892)
・自画像(1898)
・平和の接吻(1903)
カリエール、魅惑的な作品です!