11月14日(月) 日本・ポーランド国際共同企画公演
新作能「鎮魂」~アウシュビッツ・フクシマの能~
世阿弥作「清経」
新旧二つの作品を同時公演するのが今回の企画でもありました。その目的は、
(能が600年にわたって人間の根源的な真実を表現し、魂を鎮めてきたことが新作能と古典の名作で証される。)チラシ掲載より抜粋
公演日程
○ポーランドでの公演
・11月1日 アウシュビッツ近郊 聖ヨゼフ協会にて新作能「鎮魂」奉納
・11月4日、5日 ヴロツワフ(欧州文化首都)JASE劇場にて公演
○日本での公演
・11月14日 国立能楽堂にて凱旋公演
(新作能「鎮魂」には天皇両陛下がご臨席)
国立能楽堂での凱旋公演は満員御礼の中で行われ、しかも後半の、新作能「鎮魂」の上演の際には天皇皇后両陛下がご臨席されました。
【新作能「鎮魂」のテーマ】
第二次大戦中、ナチス・ドイツによる大量虐殺が行われたポーランドのアウシュビッツ強制収容所での犠牲者、そして東日本大震災で被害を受けた福島県の犠牲者を悼むための作品。
新作能「鎮魂」には、東日本大震災の翌年の歌会始において披露された天皇皇后両陛下の御歌がテキストの中に取り込まれています。
平成24年度の歌始会のお題は「岸」
天皇陛下御詠
『津波来し 時の岸辺は 如何(いかが)なりしと 見下ろす海は 青く静まる』
皇后陛下御詠
『帰り来るを 立ちて待てるに 季(とき)のなく 岸とふ文字を 歳時記に見ず』
東北大震災で犠牲になられた方々を偲んで読まれた御詠歌です。
絵
【新作能「鎮魂」】
作者 ヤドヴィガ・M・ロドヴィッチ=チェホフスカ
翻訳 関口 時正
能作 観世銕之丞
演出 笠井賢一
【新作能「鎮魂」登場人物】
前シテ 観世銕之丞 熊手を持つ老人(アウシュビッツ強制収容所跡で遺骨を集めている墓堀人)
後シテ 観世銕之丞 アチュウの霊(19才の時、アウシュビッツに連行され命を落とした若者の霊)
ツレ 西村高夫 東北大震災で妻や子を失い福島から来た日本人
アイ 深田博治 アウシュビッツ強制収容所博物館で20年来続けている日本人の案内人
地謡 柴田稔 馬野正基 北浪貴裕 長山桂三 谷本健吾 安藤貴康
地謡、じつはアウシュビッツ強制収容所で犠牲になった人々の遺骨の集合体
笛 藤田六郎兵衛
小鼓 大倉源次郎
大鼓 亀井広忠(ポーランド公演) 原岡一之(日本公演)
太鼓 小寺眞佐人
当日パンフレットより
今日はここまで
次回はあらすじ、みどころ、裏話等