第16回青葉乃会
日時:平成28年12月18日(日) 午後2時始め 於:宝生能楽堂
番組
解説 「本日の演目について」増田正造(武蔵野大学名誉教授)
仕舞「誓願寺・クセ」 観世銕之丞
狂言「鏡男」 山本東次郎ほか
能「砧」 柴田稔
<狂言「鏡男(かがみおとこ)」について>
もし鏡というものを知らなかったら。
鏡に映された姿はだれ?
こんな素朴な発想から生まれた狂言です。
配役
シテ 夫 山本東次郎
アド 妻 山本 則孝
【あらすじ】
越後の国・松の山家(やまが)に住む夫婦の物語。
夫は訴訟のため、長らく故郷を離れ都住まいをしていた。
やっと田舎に帰ることになった夫は、妻の土産に鏡をゲットした。
これは女にはとても重宝するものだと聞き、妻の喜ぶさまを思い浮かべ故郷の道を急ぐ。
やがて私宅に着いた夫。さっそく妻に鏡をプレゼントする。
ところが鏡を見たこともない妻は、鏡に映る自分の姿を見て、
「おまえは都から女を連れてきた!」と怒り出す。
夫は妻から鏡を取り上げよとすると、
「女を連れてどこへ行く!」といっそう怒り出す。
夫婦のおかしな、おかしな喧嘩が始まります。
妻の鏡を見て驚くしぐさ、言葉の言い回し。そして夫の困惑する様子。
狂言ならではの表現が笑いを誘います。
【典拠】
この狂言「鏡男」は、能の「松山鏡」の物語から作られたとされています。
能「松山鏡」
越後の国・松の山家に住む夫婦。
夫は訴訟のため在京、妻に土産として鏡を買って帰る。
(ここまでは狂言「鏡男」と全く同じ)
妻は幼い娘を残して病死してしまうのですが、
夫からもらった鏡を形見として娘に与えます。
寂しくなったらこの鏡をみなさい、私の姿が見えるでしょうと。
母にそっくりな娘は鏡に映る姿を見て、若い時の母が映っていると心を慰めます。
後半は母の亡霊が娘と対面するという物語です。
この作品はほとんど上演されません。
【能「野守(のもり)】
平成6年11月青山能「野守」後シテ 柴田稔 (撮影吉越研)
能では鏡をテーマにした「野守」という作品があります。
春日大社の守護神ともいえる鬼神が、万物を映す鏡をもって現れた場面です。
狂言「鏡男」とは直接かかわりはありませんが、鏡の写真をアップするために引用しました。
<チケット>
S席(正面特別席) 8000円
A席(正面) 7000円
B席(脇正面) 6000円
C席(脇後方、中正面 5000円
学生席 3000円
<お申込み>
➀TEL 銕仙会(平日10:00~17:00) 03-3401-2285
③柴田稔ブログへコメント
以上、どうぞよろしくお願い申し上げます。