5月14日
東北芸術工科大学で行われている薪能、今年も天気に恵まれ無事終了しました。
このブログでも何度か紹介してきましたが、キャンパスに人工池があって、そこに浮かぶように舞台が設置されています。
この舞台の特徴として、橋掛りがとにかく長いのです。
それと橋掛りが舞台に対して急こう配で設計されているので、囃子方はもちろんのこと、地謡からも橋掛りの様子がうかがわれません。
今日の演目は「船弁慶」でした。「前後之替」という小書きが付いています。
私は地頭の役を頂戴しましたが、「船弁慶」では橋掛りを使っての演技が多々あります。
それも「前後之替」の小書きが付くと、謡に緩急がつき、シテの動きに地謡も合わせなければなりません。
その橋掛りにいるシテが見えないのです。
困りましたね、なんとか想像しながら謡いましたが、ようやく舞台に入ってきたシテの姿を見ると妙に安心しました。
後シテの平知盛、間狂言の船頭、この人たちは幕からダーッと舞台に走りこまなければなりません。
装束附けてのことですから大変です。100メートルをダッシュするのと同じくらいの体力がいります。
終わったあと、銕之丞師は、「もう二度とやらない、窒息しそうだった!」と仰ってました。
お疲れさまでした!
この舞台の屋根に置かれている“鬼がわら”ですが、これがまた面白いのです!!!
数年前に撮影したものですが紹介させていただきます。
よく見ると角が2本あります。面の世界では角があるのは女性という事になっているので、この鬼は女性なのでしょうね。
アッカンベーしている舌を手で隠してみると、鋭い睨みが威圧的に迫ってきますが、目を隠して舌だけを見ると間抜けのつらをしています。(笑)
好みの獲物(男)を見つけて、ウヒヒィと喜んでいるのでしょうか!(^^)v
日本映画界の巨匠でもあり、当大学の学長でもある根岸吉太郎氏が薪能開催の挨拶をされていました。