1月2日
鶴林寺
・箱根駅伝
今年も朝から箱根駅伝にかぶりつき。
箱根山登りの東洋大学の柏原選手、今年もやりましたね。区間新記録を樹立し東洋大は往路優勝でした。
柏原選手は福島県出身のようで、勝利のコメントに、
「僕がつらい思いをするのはこの1時間余り、福島の人に比べたらたいしたことありません。」
何気なくて、かっこいいですね。
・鶴林寺
駅伝のあと、近所の寺にお参りに行って来ました。
じつは、今年は昨年に義父が無くなって喪中なのですが、
ネットで調べると、神社への初詣ではダメだけど、お寺はOKということでしたので、正月の運動不足を解消するため散歩に出かけました。
自宅の近くには江戸時代に栄えた大山街道の跡があります。
江戸時代、江戸から大山までこの道を通って大山詣でに出かけたのですね。
このポイントから眺めると、当時の風情が感じられます。
この街道沿いに、鶴林寺という浄土宗の小さなお寺があります。
街道から階段を登りつめると、境内には本堂と鐘楼が建っていて、
拙宅にはこの鐘楼から除夜の鐘が聞こえます。
今日は本堂の扉が半分開かれていてので、覗いてみると、仏壇の正面には釈迦如来の立像が安置されていました。
寺の境内と、本堂の釈迦如来像。 これはまさに能「百万」の舞台設定そのものなのです。
・能「百万」
能「百万」は、当時大スターだった百万という曲舞(くせまい)師の女性が、我が子と生き離れ、嵯峨の大念仏が行われる清涼寺の境内で念仏の音頭を取り、舞を見せながら、群衆の中から我が子を探すという物語です。
清涼寺
(平成23年9月撮影)
この清涼寺にはインド、中国、日本と、3国に渡って伝えられている釈迦如来像が本尊として安置されてあり、百万の女は舞の途中、釈迦如来像に向かって何度も手を合わせ、我が子の救済を祈る場面があります。
百万の女は舞いながら目に入る釈迦如来像に常に手を合わせ祈っていたのでしょう。
嵯峨の清涼寺もこの鶴林寺も浄土宗、そして釈迦如来像、私が2月に演じる能「百万」。
たまたまこの日に鶴林寺を訪れたことに、なにか不思議な因縁を感じました。
場所こそ違いますが、その百万の女の気持になったつもりで、しばしその場にたたずんでいました。