11月17日 金沢文庫下車、『称名寺』探索
いきなり余談ですが、昨日の女子バレーボール、日本対ドイツの試合ですが、久しぶりに興奮しました。
ラリーの応酬は女子バレーの醍醐味ですね。
オリンピック出場権獲得のため、今日は絶対負けられない、そんな思いがひしひしと伝わってきました。
最終的にはセットカウント逆転勝利で、解説者も歴史に残る好ゲームといって絶賛してました。
大きな感動、ありがとう!
今日は最強チーム、アメリカとの対戦。底力を発揮して頑張ってほしいですね。
『称名寺』探索
この日は逗子での稽古日。
始まる時間がいつもより遅めでしたので、称名寺のある金沢文庫と逗子駅は、京急電車で10分ほどの近場ということもあり出かけてみました。
(あれに由ありげなる寺の候を、人に問えば。
六浦の称名寺とかや申し候程に、立ち寄り一見せばやと思い候)
こんな感じです!(笑)
能には「六浦(むつら)」という作品があり、この称名寺が舞台となり、境内に立つ一本の楓(かえで)の木が主人公として描かれています。
むかし藤原為相(ためすけ)[藤原定家の孫]が、この楓(かえで)の木をみて次のような歌を詠みました。
『いかにして この一本に しぐれけん 山に先だつ 庭のもみじ葉』
(どうして山々の木々はまだ紅葉していないのに、この庭の木だけに時雨がかかり、美しく紅葉しているのだろう)
鎌倉時代、称名寺の庭にある楓の木が周りの木々にさきがけて紅葉したようです。
しかしこの木は、藤原為相(ためすけ)がこの歌を詠んだことによって、翌年からは紅葉しなくなり、のちには青葉の楓(かえで)と呼ばれるようになったという伝説が生まれました。
能の作者はこの話を題材に「六浦(むつら)」という作品を書き上げました。
作者は、最近の研究では金春禅竹の孫の金春禅鳳(ぜんぽう)ではないかとされています。
さてその『青葉の楓』ですが、今から50年ほど前に老朽によって倒れ、いまは2代目?の『青葉の楓』が植わっています。
それがこれです。
なんだか拍子抜けしてしまいます。(笑)
鑑賞に耐えられるにはあと100年はかかるかもしれません。
しかも葉っぱは青葉ではなく、黄色く枯れかかっていました。
能「六浦」のシテはこの『青葉の楓』の精なわけで、作品のイメージとは程遠いものがあります。
称名寺を訪ねた17日は紅葉は見れませんでしたが、秋晴れの爽やかな天気でした。
続く