6月2日 第5回 日経能楽鑑賞会
狂言 「蝸牛(かぎゅう)」 野村万作
能 「天鼓(てんこ)」・弄鼓之舞(ろうこのまい) 浅見真州
於:国立能楽堂
日本経済新聞社が主催する鑑賞会で、能・狂言とも同じ演目で役者を変えて二日にわたって競演するという形式の会です。
能のシテは観世流から浅見真州師、喜多流からは友枝昭世師。
狂言は野村萬師、野村万作師。
今年の演目は能が「天鼓」、狂言が「蝸牛」。
浅見真州さんは今年古希を迎えらるのですが、年をまったく感じさせない動きには平伏させられます。
背筋がピンと伸びて、老いのかけらも感じられません。
終わったあと、
「今日はしんどかった。最後はバテバテだったよ。」
と仰っていましたが、そんなふうにはまったく見えません。
能役者として、身体能力がよほど高いのでしょうね。
ちょうど一週間前には「歌占」の能を演ぜられたばかりです。
この日のパンフレットには、馬場あき子さんの解説が寄せられていました。
この解説がまた素晴らしいのです。
文学作品として「天鼓」の作品を掘り下げ、それを演劇としての能「天鼓」に合体させて話を展開されています。
けっして難しい言葉を使わず、初心者からベテランの人にも興味がわくように書かれているのです。
解説を読み終わると、能の一曲を鑑賞したような気分にさせられます。
この方もまた、すごい人です!